連珠(五目並べ)を楽しもう!
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連珠(五目並べ)を楽しもう!
「ごならべ」が、今や"RENJU"となって世界のゲームになりました。
子供の頃、貴方も楽しんだのでは?
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最終更新日/2005.05.31
連珠文化の研究
連珠および盤上ゲーム、棋具などの歴史や、研究、論文・論評などを集めました。
●盤上遊戯 ― 囲碁散歩(8)〜(18)
天地シニアネットワーク機関紙「ネットワークテーブル」より
■小俣光夫・著
読みやすいように改行、マークなど変更・追加してあります。
記事をいろいろな理由から入手できなかったところがあります。
その部分は後日入手でき次第補填致します。御了承下さい。
*********************************************************************
◇◆
●□ 『ネットワーク テーブル』
天地シニアネットワーク
○■
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盤上遊戯 ― 囲碁散歩
(8)
(9)
(10)
(11)
(12)
(13)
(14)
(15)
(16)
(17)
(18)
◎ 盤上遊戯 ― 囲碁散歩 (8) ― 小俣光夫(64歳)
[8]
・「ポンヌキゲーム」(1)
規約第4条に「空点のない石は、盤上に存在することができない」とあり、囲碁を知っている人は
自明としてろくに説明せず初心者にルールとして押し付けてしまう傾向があります。
しかしよくよく考えると難しい概念を含んでいます。
ここでいう石とはなんでしょうか? 正確には「一方の石」のことです。
この場合の石は1個ではなく複数です。stones です。空点がなくても石は存在することがあります。
すなわち、黒石が多数隙間なく集まっていると、中心部には空点のない黒石(stone 単数)が存在します。
空点がないからといってその石を取り除くことはありません。
タテまたはヨコに連続している(連なっている)複数の同色の石は「一方の石」といって
大きな一つの石であるとして暗黙の了解事項となっています。
初めて囲碁ルールを教えられた人には、やや解りにくいことかもしれません。
同じ石という用語も1個の石のことや細石の巌のように連なった複数の石を意味することがあります。
日本語は単数、複数の区分が明確でないためあえて複数を明示させてみました。
「ポンヌキ」とは通常「四つ目殺し」といって、1個の石(stone)を他方の色の石(stones)で
上下左右密着させて取り囲み、その1個の石を盤上から取り上げることを意味しています。
しかし、「ポンヌキゲーム」での「ポンヌキ」は1個の石とかぎらず、連続する石すなわち、一方の石の空点をなくし、盤
上に存在できない状態を意味しています。
そして沢山の石(stones)を獲得したほうが勝ちとするルールで遊ぶことができます。
上下左右に囲むとはなんでしょうか? タテとヨコの隣接している四方の交点に石を置き空点をなくすことです。
さらに、盤の縁や隅にある石を囲むにはどうしたらよいか? このあたりの説明は文章ではなく、
実際に盤上に石を置いてみると容易に理解できます。
ではなぜ、図示せずまわりくどく述べているか疑問に思われる方もおられるでしょう。
その理由は、電子メールでは図表が表現しにくいことが第1の理由ですが、第2の理由があります。
それは、「空点のない石は、盤上に存在することができない」というルールを視覚という認識手段をもたない
コンピュータにプログラムすることは容易ではないからです。
すなわち、児童に教えるのは簡単でも、タテヨコに連なっている一方の石(”連”という)の空点の有無を
コンピュータに判定させるのは複雑なプログラム処理をさせねばならないということを知っていただきたかったからです。
(コンピュータ囲碁対局プログラムは日本よりむしろ海外での研究が進んでいます)
「”連”とはどのように定義されるのですか?
タテヨコに連続していない一方の石が存在しますよ」と下記の例を示してきた友人がいました。
○○○○○++
○●●●○++ たしかに、黒石●は連続していませんが、この形
○● ●○○+ は連とみなされています。黒石の中の二つの
○○● ●○+ 目(め=空点)には白石を二つ同時に打つことができま
+○●●●○+ せんので、これら10個の黒石は活き石です。
+○○○○○+
+++++++
◎ 盤上遊戯 ― 囲碁散歩 (9) ― 小俣光夫(64歳)
[9]
・「ポンヌキゲーム」(2) 相手の石を取り囲むと得点
10月28日(土)、マレーシアの中国系女子学生と連珠ゲームをしました。
よく考えて着手してきますので強くなりそうです。す
でに五目ならべゲーム(中国語では五子棋)は知っていたとのこと。
他に知っているゲームはと尋ねると、子供の頃遊んだ囲碁に類似したゲームを教えてくれました。
それは、方眼紙を使い、石の替わりに○と×のマークを交点へ交互に書き込んでいきます。
相手のマークを自分のマークで取り囲むと、それら囲んだマークを連結させた線を書き入れ
獲得数(得点)を記録していきます。多く得点した方が勝ちとなります。方眼紙のサイズは任意。
このゲームは「ポンヌキゲーム」とほとんど同じですが、ルールが明確なことで児童用ゲームとしてはまずまずの完成度です。
紙と鉛筆でできるのは手軽です。
こんなゲームがあると日本棋院の平本六段に見てもらったところ、安田九段メソッドの「ポンヌキゲーム」と同じで、
先手は勝とうとしなければ必ず引き分けとなるゲームですといわれました。
平本六段はその著「囲碁の知・入門編」で囲碁のルールに関し
マスメに石をおく囲碁ゲームが古代に存在した可能性などにふれています。
「ポンヌキゲーム」は9路盤を使い囲碁入門ゲームとして保育園児・小学生を対象にして各地で行われています。
推進団体は「NPOふれあい囲碁ネット」。11月初旬静岡県での『第2回ふじカップふれあい囲碁ゲーム大会』において
天皇・皇后も参加され「ポンヌキゲーム」が行われました。
囲碁をまったくご存知ない大人達も喜んで参加できたゲーム大会だったそうです。
ぼくは、「NPOふれあい囲碁ネット」のインストラクタ研修会に参加したこともあり、現在中野区のある児童館に
月1回ゲーム指導ボランティアとして「ポンヌキゲーム」などを教えにいっています。
ただし、多くの子供達はじっと集中してゲームを続けることが苦手で移り気です。
また「ポンヌキゲーム」は覚えた後、更に対局を重ねゲームとしての面白さを深めていくことには難点があります。
安田九段以外にも初心者のための囲碁入門ゲームを考案している専門棋士がいます。
いずれ囲碁をはじめとする奥の深い対局ゲームの面白さを覚え、個性ある能力を発揮する子が育ってくることを期待しています。
コンピュータ相手の対局ゲームでは目新しいときや練習のときは面白いのですが、奥深さの点で物足らなくなり、飽きてきます。
そのため売上をあげるため次々とバージョンアップ版の供給が繰り返される傾向がみられます
◎ 盤上遊戯 ― 囲碁散歩 (11) ― 小俣光夫(64歳)
[11]
・「ポンヌキゲーム」(4) ダメの個所と石のカタチ
高段者の著作には「石のカタチ(形)やスジ(筋)」という用語がよく使われています。
美しいカタチとか見事なスジなどと感覚的な表現があり、囲碁の美学などともいわれています。
長年の修練により、石のカタチの良し悪しが一見して判断できるのでしょう。そうした感覚は、他の芸術芸能さらには
スポーツ選手の動作にも当てはまることと思います。
単純なポンヌキゲームにおいてもしばしば現れる、石のカタチの美しさや愚形といわれる効率の悪いカタチを
ダメの数から比較してみます。
++×++ +××++ +××++ ++××+
+×●×+ ×●●×+ ×●●×+ +×●●×
+×●×+ +×●×+ ×●●×+ ++××+
+×●×+ ++×++ +××++ +×●×+
++×++ +++++ +++++ ++×++
5図 6図 7図 8図
5図の3個の石のダメの数は8、これを8/3と表します
6図は3個で7、すなわち、7/3
7図は4個で8、ですから、8/4(=2)
8図は3個で9、9/3(=3)
上の分数表記は、石1個当りのダメ(×)の数を示します。
大小の順に並べますと、8図>5図>6図>7図となり、一般にいわれている石のカタチの評価とほぼ一致します。
ちなみに6図は「アキ三角」といわれ極力さけるべきであり、7図は「ダンゴ石」とされ愚形の見本です。
ダメすなわち気であり、石1個当りの活力の大きい石の連がカタチが良いとみなされているようです。
勿論実際の対局では相互に一手づつ着手し双方のダメの数はたえず変化するのですから単純な評価はできません。
<参考文献>
・「三日で覚えるこども囲碁わざ入門」横内猛 誠文堂新光社 20001
・「囲碁特訓 五X五 五道盤上達法」 福井正明
碁スーパーブックス 日本棋院 2000 (狭くても多様な変化)
◎ 盤上遊戯 ― 囲碁散歩 (12) ― 小俣 光夫(64歳)
[12]
・「ポンヌキゲーム」(5) 本格的な対局ルールへの移行
神田のある書店の囲碁将棋コーナーで囲碁入門書を見ていたら、日本棋院の二人の営業担当者が店員に注文の書籍の納
入にきていました。「入門書が売れているようですね」と尋ねたら、「マンガとテレビのおかげでで好調ですが、
類書が沢山でまわってきました」とのこと。横内猛著の子供向けの囲碁入門書(2冊)は子供がおじいさんに教えるという筋書きで
ユニークです。さすが、安田9段とともに「ポンヌキゲーム」の実践から得られた経験でわかりやすく書かれています。
先日(12/15)ゲーム団体の忘年会で安田9段と横内さんと同席しました。日本全国で「ポンヌキゲーム」を楽しむひとたちが
増えているようですが、今後の発展継続には解決すべき問題が多いらしい。囲碁がスポーツ(体育)として世間に認められ、
普及活動に教育機関や行政からなんらかの支援があるとよいのですが・・・
以前、安田9段が、子供達に「上手の白石1個でも取れたら勝ちとする」としてゲームをしていたのを見ましたので、
ぼくも試しに児童館で実行してみましたが、無理なく石を取らせるにはテクニックを要します。子供達は教えられながら同じゲーム
をしているとすぐに飽きてしまいます、20分が限度とのこと。また子供には極力負けてやらねばならないといわれていますが,
わざと手を抜くのは見破られてしまいます。本来遊びとは遊びながら対等になるようルールを工夫していくものなのでしょう。
勝ち負けが偏っては遊びではなくなります。子供にとって勉強(強いるという意味がある)となっては面白くありません。
「ポンヌキゲーム」から 本格的な囲碁対局ルールへの移行には、石の活き死にと地の概念が必要です。それにはまづ、
6路盤や9路盤で充分に練習すると良いと思います。9路盤でもプロ棋士同士が真剣に対局できる広さがあります。
ぼくは酒井猛9段に9路盤でコミなし(通常は5目半)で挑んだことがあります。コミがなければと気負ったところ簡単に負けてしまいました。
9路盤で9子置くと超初心者でもプロ棋士と対等に対局可能です。一般に初心者はすぐ19路盤へ移ることを求められます。
恐らく9路盤では子供扱いにされていると感じられ、囲碁というゲームの奥深さをあまりご存じないからでしょう。
◎ 盤上遊戯 ― 囲碁散歩 (13) ― 小俣光夫(64歳)
[13]
・囲碁ゲームの起源(1) 碁は断にあり
1988年「日本文化界囲碁代表団」を歓迎して、中国囲棋協会の陳祖徳9段は
「中国では、古来、『琴棋書画』といい、囲碁は文化の位置付けがなされてきた。今後はその方向を目指したい」
と挨拶したと、白川正芳氏の著書(囲碁の源流を尋ねて)にあります。
中国は中国棋院の陳祖徳院長を中心としてチェス、囲碁、象棋、五子棋(連珠)などの棋類さらにはマージャンやブリッジなどの
牌のゲームで国威(?)を発揚しようとしています
象棋で天才的才能を示した女性がチェスに転向し女子世界チャンピオン(冠軍)を獲得し世界を驚かせた例もあります。
日本語に堪能な中国棋院の王さんによると、中国棋院の予算は国際試合の多いチェスへの配分が多いとのことでした。
韓国では囲碁塾が日本の学習塾のように存在しているとのことです。
日本では囲碁は年寄りのボケ防止・ヒマつぶしなどと思われ若者にはあまり人気がありません。
大学リーグ戦に参加する男子選手は年々減少しています(女子学生は微増)。
最近は囲碁や将棋以外に沢山の面白そうなゲーム類や遊びごとがあるからでしょう。
囲碁ゲームの起源はいまだ不明な点が多く、文字の記録による歴史以前にその起源はあるはずであり、遺跡からの
考古学的研究がまたれているところです。近年中国で最古とみなされる石の碁盤が発見され、
その拓本が雑誌に紹介されていました。これについては後述いたします。
まづ、白川氏の著作をとりあげてみます。白川氏は昭和12年福岡県生まれ、慶大中退、文藝評論家、作家。文壇本因坊を3期。
囲碁の著書に『碁は断にあり』(三一書房)、『碁に勝てなければ他のことにも勝てない』(三一書房)があります。
なぜ囲碁に親しんだたかを次のように書いています。
「私は碁も将棋も側で見ていて覚えた。二つ年上の兄が専ら相手だった。私たちはボール紙で碁盤と碁石を作った。
兄一成は、定年で小学校校長を辞めたあと、プロ棋士となった。定年まで勤めたあとプロ棋士になったなどこれまで
聞いたことがなく、新聞にも大きくとりあげられた。」
著書名『碁は断にあり』のは当時珍しい大学卒のプロ棋士細川9段の言からであり、
ぼくにとってこの本は大いに参考になりました。この本を読んでからは地(ジ)を囲むより相手に石(棋子)を囲むことに
意を注ぐようになりました。中国の伝統的ルールは石の連を切断することに重きをおいています。
つまり切られると相手に「切り賃」というペナルティを支払うルールになっていたからです。
<参考文献>
「囲碁の源流を尋ねて」白川正芳 日本棋院の囲碁読本5 1999
参考文献一覧表と囲碁の略年表がついている
◎ 盤上遊戯 ― 囲碁散歩 (14) ― 小俣光夫(64歳)
[14]
・囲碁ゲームの起源(1) 碁は断にあり(その2)
典型的な石の連続と切断です。1図は白黒それぞれ2個、中央の点(*)にどちらが着手するかで勝敗が左右されるほどの要点です。
2図は黒、3図は白が占めました。分断された方は極めて弱い石となり、連続した石の連は強力になります。
4図は2図に白石1個を加えた図ですが、分断された方の形(サカレ形という)はすでに不利になっています。
囲碁を覚えて間もない初心者はこのサカレ形に誘導され、たちまち置石の威力を減じさせてしまいます。
通常下手(シタテ)は上手(ウワテ)に対し幾つかの石を先着させて棋力のバランスをとり対局しますが、効率の悪い手を打つと
バランスが崩れ、上手に乗じられてしまいます。上手の作戦は常に下手に悪形のダンゴ石やアキ三角をつくらせ、さらに自分に有利な
サカレ形を作り出すことをネライとしています。
+++++ +++++ +++++ +++++
++●++ ++●++ ++●++ ++●*+
+○*○+ +○●○+ +○○○+ +○●○+
++●++ ++●++ ++●++ ++●○+
+++++ +++++ +++++ +++++
1図 2図 3図 4図
4図をもし狭い5路盤(5x5)とみなすと、黒の手番であれば*にオサエて白は壊滅です。2眼作る余地がありません。
また、たとえ白の手番であっても黒有利は変りません。ただし広い19路盤ですと、部分的にサカレ形ができたとしても全体的な
関連がありますので簡単に有利不利の判定はできませんが基本は同じです。戦力が分断されてはたたかいにおいて弱体化するのは
囲碁もいくさも同じです。
上記まで書いた翌日、囲碁を覚えたばかりの方に、黒番でどこに着手しますかと1図を示したところ、なんと(*)ではなく他の
個所に打ちました。当然(*)に打ってこられると考えていたので、なぜですかと尋ねるとそこでは白に囲まれそうでなんとなく恐ろしい
との返事。面白さの体験なしに理屈だけでゲームを覚えてもらうのは難しいことを実感しました。
◎ 盤上遊戯 ― 囲碁散歩 (15) ― 小俣光夫(64歳
)
[15]
・囲碁ゲームの起源(1) 碁は断にあり(その3)
囲碁を上達するにはどのような方法をとるべきか? 現在これは誰にも正解はありません。
どうしたら上達するのかとプロ棋士に尋ねても、逆に教えてくださいといわれる始末。ではどのような心がけで碁を打つべきなのでしょうか。
それに関連し、囲碁とは何ですかとの問に応じた三人のプロ棋士の回答が趙治勲の著書にありました。
(1)高川格「地をとるゲームである」
(2)木谷実「相手の石をとるゲーム」
(3)岩本薫「地でも石でもない、眼を二つもって生きるゲーム」
いずれも納得できる回答ですが、ぼくは最初は(1)で次いで(2)へ移り、現在は(3)の心境がすこしわかりかけてきました。
つまり上手に対しては、まず自分自身の石をしっかり生きておくことが重要ということです。また下手に対してもこの(3)は大切で、
つい侮りの気持ちが生じて安直な手を打ち苦汁を舐めさせられ、反省することが多々あります。
格言:「上手とて恐れるな、下手とて侮るな」
石の切断と連続に話をもどします。本因坊秀哉は回顧録で「形を知ること。かかる形は良くないものと無条件で記憶して頂きたい。
但し悪形といっても絶対打つなということではない」と述べています。
5図で、ろの点に白石がくると黒の2子は切断されてしまいます。それを防ぐには、い、ろ、は、にの4箇所があり、6図の3箇所は
いずれも悪い形のツギとなり、正解は7図、はの点です。
+++++++ +++++++ +++++++
+●+++++ +●+++++ +●+++++
+●○○○++ +●○○○++ +●○○○++
+○●●○++ +○●●○++ +○●●○++
+○いろ●●+ +○いろ●●+ +○++●●+
++はに+++ +++に+++ ++●++++
+++++++ +++++++ +++++++
5図 6図 7図
<参考文献>
・「地と模様を超えるもの ―趙治勲の囲碁の世界」趙治勲 河出書房新社 1999
・「本因坊棋談」本因坊秀哉 岡倉書房 1936 古書店アカシヤ書店で購入
◎ 盤上遊戯 ― 囲碁散歩 (16) ― 小俣光夫(64歳)
[16]
囲碁ゲームの起源(1) 碁は断にあり(その4)
高額賞金の懸かったタイトル戦(読売新聞社主催)で、プロ棋士の公式対局では従来聞いたことのない珍事がおこりました。
一般に対局の両者の着手するところがなくなり、合意のもとに一旦対局を停止し、
ダメをうめ白黒双方の地を計算する過程では、暗黙の了解で多少の着手の順を変えてもルール違反とはならないという
慣習がありましたし、日本棋院のルール(規約)でも違反の明記はありません。
すでに対局は停止しているのですから。
ところがルールにあるように、対局の停止は両者の合意が必要条件です。
今回のは、観戦者も当然停止すべき局面と判断していた状況において、一方が停止を申し入れたはずと述べたのに対し、
他方が私は申し入れは聞こえていなかったし合意してもいませんと主張し、ダメを打っている最中相手の石を切断してしまい、
勝敗が逆転してしまった出来事です。
立会人や記録係り、またテレビの観戦者も当然対局は停止していると判断していて、逆転の結末に唖然としてしまいました。
主催者と立会人がビデオ映像を再現し1時間協議の結果ようやく対局は続行しており停止の合意はなかったと判定しました。
ただし、プロ棋士は別として観戦者の多くは後味の悪い感触を抱いていることでしょう。
プロ・アマチュアを問わず、これは極めて稀なケースといわざるをえません。
日本棋院のルール(規約)に補足が必要かもしれません。
中国ルールではダメを打つのも対局の正規の着手ですし、そもそもダメという概念がありませんので。
そして、立会人というシキタリも世界のゲームルールとしては、裁定のできる審判制度に改めるべきと考えます。
*参考文献:
日本囲碁規約改訂委員会「日本囲碁規約」(財)日本棋院 1999(第7刷)
◎ 盤上遊戯 ― 囲碁散歩 (18) ― 小俣光夫(64歳)
[18]
・囲碁ゲームの起源(1) 碁は断にあり(その5)
前回<碁は断にあり(その4)の項> で、囲碁のタイトル戦において囲碁のルールに関するトラブル(あえて事件という)
が生じたことをお知らせいたしました。
この事件について、田村明さんをはじめ数人の会員とメールなどを交わし、ぼくの認識およびマスコミの記事に
誤解・不正確な個所があることがわかりました。
規約には「対局の停止」は両者の意思表示が必要とあるのみで、合意すべしとは明記されてはいません。
また関連する「終局の定義」の条項には確か合意は要件として記載されていますが、今回の事件は「対局の停止」が
あったかどうかがポイントであり、「終局の合意」が問題となっているのではありません。
したがって、前項の文言の一部を次のように訂正削除いたします。
{ところがルールにあるように、対局の停止は両者の合意が必要条件です。<以上を削除>
今回のは、観戦者も当然停止すべき局面と判断していた状況において、一方が停止を申し入れたはずと述べたのに対し、
他方が私は申し入れは聞こえていなかったし合意してもいませんと主張し、ダメを詰めあっている局面において
相手の石を切断してしまい、勝敗が逆転してしまった出来事です。}
今回の事件は衆人環視の場で、囲碁界の最高金額のタイトル戦の山場でした。
対局が続行しているかどうかをルール(日本囲碁規約)にもとづき判定しなければなりません。
つまりプレーが続行しているか否かの判定を多くのファンに納得してもらうことが必要でした。
ところが、実態は「対局停止の局面」にもかかわらず、該当する条項を適用せず、
別の条項にある「終局の合意」を拡大解釈して、「対局の停止」はなかったこととし、
「対局は続行中」とした立会人の裁定に疑義があるといわざるを得ません。
その場ではたして立会人が日本囲碁規約を所持していたかどうかも疑わしくなりました。
またマスコミも「対局の停止」という用語を一切出さずにあいまいな解説をしています。
(今回もし裁定ができず無勝負・再対局となるとスポンサーにとって運営経費など予定外の出費となります。
囲碁は将棋と異なり引分け・無勝負はめったにないので、スポンサーの読売新聞社が無勝負を回避したのかも。
これはやや、うがちすぎかもしれませんが・・・)
参考:日本囲碁規約第1条
囲碁は、「地」の多少を争うことを目的として、競技開始から第9条の「対局の停止」までの間、
両者の技芸を盤上で競うものであり、「終局」までの間着手することを「対局」という。
追記:初心の方で、相互の地の境界であるダメをうめるだけで、なぜ石の切断が起こるのかとの疑問があるでしょう。
実は停止後のダメヅメという用語には手入れ(石の連続の確保)という意味も含まれています。
通常の対局を終了する際、ダメをうめる前にいずれ必要となる手入れを先にしておくことをお薦めします。
もしそれを確実に実行していれば、今回の事件は生じませんでした。
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